シュガーラッシュ(Wreck-it Ralph)2012,日本公開今年3月

 主人公・ラルフは、とあるゲームの悪役です。短気で乱暴者というのが彼の役回りですが、彼自身は優しい存在であり、仕事としてそのキャラクターを全うしています。しかし、ゲーム内ではそうは思われず、他のキャラクターから嫌われています。悪役専門の俳優さんが悪い人であるかのように思われているのは、よくあることですが、ここでは同じゲーム内でのことなので、事態は深刻なのでしょう。彼は自分の居場所を獲得するために、ゲーム外へと冒険の旅に出かけていきます。

 社会現象となっているともいえるゲームの存在。誰もが一度は経験しているといっても過言ではないでしょう。バーチャルな世界での解放感。しかし、様々な障害物をクリアしていく設定は、ゲームとして楽しむためにも不可欠です。現実社会ほど複雑では困難過ぎて、遊びの範囲を超え出てしまいますし、簡単すぎても面白くありません。別の意味では、困難さでさえもエンターテイメントに徹しているということもできるのかもしれません。そして、その舞台裏では、観客席からは考えられない苦労があるのでしょうね。

 何から何までよくできていて、子供は当然のことながら、一緒に見ている大人の方も楽しめるように作られた典型的なディズニーアニメなのです。ストーリーはもとより、キャラクターから、映像の質、表情の豊かさに至るまで非の打ちどころがありません。とにかく、子供に未来の夢を与えることに徹しているこの作風は、昔からディズニーの真骨頂ということもできるでしょう。そこがまた鼻につくところでもあったのですが、今回思ったのは、ディズニーも明らかに進化しているということなのです。この作品は数々のアニメ映画賞を獲得しました。

 

 クリスマスの夜にお子さんとの時間が取れるのでしたら、是非、是非お勧めいたします。思い出のクリスマスになること請け合いです。そして、一人でご覧になっても童心に帰ることで、思いっきりのリセットができるでしょう。どんな方も是非ご覧になってみてください。(映像時間101分)


 


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