The Road Of The Rings旅の仲間

 ロード・オブ・ザリングです。長い映画です。全編合わせると10時間近くになるでしょうね。原作者、J.R.Rトールキンは第一次世界大戦を風刺した物語として、この作品を書いたといわれています。ちなみにエルフ族、ドアーフ族、ホビット族、そして人間が連合国(フランス、イギリス、ロシア)、途中からアント族も加わります。印象としては、イギリスがエルフ族、フランスが人間といったところでしょうか。そして、同盟国側(ドイツ、オーストリア、ブルガリア)がモルドールのオーク族、そして、サルマンらのウルクハイといえるでしょう。こちらは明らかにモルドールがドイツといえるでしょう。後になって参戦したアント族はやっぱり、アメリカ合衆国なんでしょう。そして、我々日本人が注目すべきは、やはり、ホビット族です。背が小さくて小人のようで、裸足でいる文化とくれば、言わずもがな、日本人ですね。ここでは2種類の日本人が抽象されていて、穏やかな日本人をホビット族、好戦的な日本人をゴラムとして表現しているかのようです。

 

May it be

An evening star shines down upon you

(ある時は夜空の星が降り注ぐかもしれないし)

May it be

When darkness falls

(ある時は闇がおちてくるときがあるかもしれないけど)

Your heart will be true

(あなたの思いはそのままでいて)

You walk a lonely road

(孤独な道をあるいてきたね)

Oh haw far you are from home

(ああ、なんて遠くまで来たんでしょう)

Mornie Utulie (Darkness has come)

(闇がやってくる)

Believe and you will find your way

(信じなさい、そうすれば道は見つかるはず)

Mornie Atantie (Darkness has fallen)

(闇は落てくる)

A promise lives within you now

(約束は生きている、あなたの中でいまも)

 

May it be

The shadow's call will fly away

(ある時は影の呼び声で、不安になるかもしれないし)

May it be

You journey on to light the day

(旅の途中でその日に出合うかもしれない)

When the night is overcome

(夜を乗り越えたとき)

You may rise to find the sun

(あなたは太陽を探しはじめられるかもしれない)

Mornie Utulie (Darkness has come)

(闇が来る)

Believe and you will find your way

(信じなさい、そうすれば道は見つかるはず)

Mornie Atantie (Darkness has fallen)

(闇は落ちてくる)

A promise lives within you now

(約束は生きてる、あなたの中でいまも)

A promise lives within you now

 

 

 この歌は第一部のエンディングで流れるエンヤの”May It Be"という曲です。2001年の公開当時よりも、現在の世界情勢の方がぴったりくると言えるかもしれません。つらい事が世界的におおくなっている昨今、この歌もまた希望を持ちつづけることの気高さを伝えているような気がします。

 

 スペクタクルという言葉がまさにしっくりくる映画です。登場人物も多く、それぞれの設定が確立されているため、映画館で一度見たくらいでは全貌の把握ができません。まるで連続ドラマの総集編のようです。大河ドラマのように時間を使っても、字余りにならないような気がします。

 

 「善」と「悪」が最初の時点で明確に決定されている物語なので、解かりやすいのですが、人間の気持ちの変化が非常に細かいので、見る人の個人的経験によって、作品から感じるものは千差万別ではないでしょうか。

 

 私の好きなセリフが一つあります。暗い坑道の中で道に迷っているときに、魔法使いガンダルフがフロドに言うセリフです。

 

フロド   :I wish the Ring had never come to me.

               (指輪なんか来なければよかったんだ)                              

       I wish none of this had happened.

              (こんなことにならなければよかったんだ) 

 

ガンダルフ:So do all who live to see such times

              but that is not for them to decide.

         (だれでもそんな目に合うと、そう思うんだ。

                 でもそれではなにも決まらない)

      All we have to decide is what to do with the time

                     that is given to us.

         (なによりも決めなくてはならないのは、

          与えられた時間のなかで何をするかということだ。)

 

 ガンダルフのセリフは吹き替えや字幕では次のように変えられています。日本語的にはこの方が解かりやすいということなのでしょう。

 

 「誰でも辛いことに出会うとそう思うが、それでは何も変えられない。それより、今何をすべきかを考えることだ。」

 

 冷戦対立は無くなりましたが、どうも希望に満ちた未来を感じられる世界になったのかというとそうは思えない現実が存在しています。何かに運命を委ね、他力本願で生きるのではなく、ガンダルフのいうように、ひとり一人が「考える」べき時代を迎えているのではないでしょうか。考えないでいるための組織ではなく、考えるための組織こそが必要とされているのではないでしょうか。

このブログに掲載されたものすべての転載、複写をお断りいたします。

最近の記事